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2004年08月20日
●バケモノ製造機なだけじゃないZBrush
本家ZBrushCentralはバケモノのオンパレードだ。気味の悪いモンスター、おどろおどろしいエイリアン、ゾンビ・・・などなど。
そういう気色悪いバケモノを作るのが楽しいのは認める。ZBrushはイボイボやシワシワなどの細かい造作を作るのが得意なので、作り込むほど凄味が出てくるのだ。また、ZBrush初心者や造形の経験が浅い人でも、細かく作り込むとそれなりにバケモノらしくなって楽しいため、どんどんバケモノを量産することになる。コネコネしているうち我に返ると「ああっ、また気持ち悪いものを作ってしまった」と気づく。これを「ZBrushのダークサイド」と呼ぶ。
僕も初期はバケモノばかり作っていたが、なんとかダークサイドから抜け出すのに成功したようだ。最近の僕のは逆にZBrushらしくないと言えるかもしれないほど、作り込みは最低限でシンプルにしている。シンプルでいいのだ。細かいところに不必要に時間をかけてモデリングする必要はない。何しろ、最初のPainterClassic本を書いたときに作ったTDW_0819(メタセコイア使用)、これなんか鼻部分が少し盛り上がっただけのまるっきりノッペラボウなのだ。ペイントに凝るだけで相当イケる。
世界の中心に「快」や「美」や「シンプル」があり、そこから離れるほどに「不快」「醜」「複雑」があるとしよう。とすれば、気色の悪いバケモノを作るのは楽で簡単なことなのだ。世界の中心からほんの少しはずれるだけで、バランスが少し崩れるだけで、「不快」「醜」「複雑」の一丁上がりなのだ。(まあ、ギーガーのように不快と複雑と美が一体になってるものもあるけど)。できれば、エネルギーのあるうちは世界の中心を目指していたい。
せっかくZBrushという魔法のようなツールを手にしたのに、その魅力の一面だけに囚われてダークサイド行き放題でハリウッド的バケモノばかり作っているアメリカ人(だけじゃないけど)に強い反発がある。日本の表現(特にイラスト)の幅の広さで目にもの見せてやりたいってのが正直なところ。「こちとら日本じゃなあ、リアルなんてのは20年も前に卒業してんだよ」って。(例外としてスコットランドのboozy floozie(Mark Bannerman)氏の作品は他とはちがう。フランスのmarcel氏も)
また、僕がZBrushをおもしろがっている理由の一つは、「ZBrushで作るオブジェクトは、3Dのキャンバス」ということがある。紙粘土や彫刻にペイントするのは珍しいことじゃないし、3Dソフトでテクスチャマッピングすることも同様だが、これを「実物のように色を塗る」のではなく「デジタルの3Dキャンバス」と捉えると、まだほとんど未開拓の分野。新しい地平ばかり。ZBrushで何をやるにしても、「ひょっとしてこの考え方・アプローチは世界でも初めてかも」と考えると、なんかものすごい勢いで作りたくなるのだ。
■追記
世界の中心、といえば「世界の中心で愛をさけぶ」ってうまいタイトルだなあと思ってる人が多いかもしれないけど、30年以上前のSF小説「世界の中心で愛を叫んだけもの」(ハーラン・エリスン)の邦題のパクリであることはほとんど知られてない、のかな?
僕はたまたまSFファンだったため、この印象的なタイトルを覚えていた。両方とも読んでないけど。
投稿者 hiroshiyoshii : 2004年08月20日 23:36
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コメント
吉井さんへ、リアル系イラストの話はコメントすると火に油になりそうなのでパス(^_^) ほとんど私の言いたいことを吼えていらっしゃるので。で、話は油土。私もアレは恐ろしいほど嫌いでした。だから『油土=粘土』は大嫌いでした。ところが中学のときにプロンズ粘土を使った授業があり、とっても興奮した覚えがあります。小学生のときは自主的にパラフィン粘土で遊んでいました。コネコネしているうちに全部が混ざって紫色になってしまうんだけど(^_^) て゜、今は粘土と言えば紙粘土かな。もしかすると油土は中学の1年ぐらい以降触ってもいないと思います(^_^) 久しぶりに粘土したくなってきた。
投稿者 kaizu : 2004年08月22日 08:49
リアルな表現は迫力はありますし、描いてておもしろいですからね。
このあたりの話、前から感じてたことがあるんで新しいエントリーに書きました。
マジカルスケッチを子供にいじらせる試みは前に見たことがあります。はっきり言って、むずかしそうでした。ZBrushだとどんなになるかな。っていうか、やっぱ油粘土に限る。あの臭さにむせびながら造形の楽しさをつかんでほしい。僕自身、小さい頃はおもちゃをほとんど買ってもらえなかったこともあって、変幻自在、無限の楽しみの油粘土で延々遊んでいた子供でした。
投稿者 yoshii : 2004年08月21日 12:34
吉井さんへ、そうだよね。リアルであることがハイセンスで高スキルだと勘違いしているのかな?という風潮はUSは凄いけど日本にもまだ根強いみたいですよ。それでもUSのようにカートゥーン系をさげすむ風潮はないですけどね。そのあたりが何かを暗示しているように思えますね。だから、どんどん省略していくことで完成度が高まるという考え方はまだ発生していないのかもしれないですね。その点フランス等のヨーロッパは文化の歴史が深いので違うんでしょうね。私も、今にして思えばPixlogicが最初に声かけてくれたときにもう少しまじめに作品作っていれば・・・と(^_^) とにかく、こんなに簡単に思い描くものが出来るのって衝撃的ですからね。私が毎日アップしている適当なモノだって他のアプリでやったら3日坊主になっていますよ(^_^) もしかすると、ZBrushって小学生とかに自由に触らせると面白いかもね。個人的には手書きを理解できないうちのコンピュータグラフィックスは推奨しないけど。
投稿者 kaizu : 2004年08月21日 09:05